建設業の許可を受けて営業を営む場合は、さまざまな手続が必要となります。
建設業許可申請
そもそも建設業とは?
建設業の定義は、建設業法に定められており、元請下請に関わらず、「建設工事」の完成を請け負う営業のことをいいます。(建設業法第2条)
また「建設工事」とは、土木建築に関する工事で、29工事に分類されています。
建設工事一覧
土木一式工事 | 建築一式工事 | 大工工事 |
左官工事 | とび・土工・コンクリート工事 | 石工事 |
屋根工事 | 電気工事 | 管工事 |
タイル・れんが・ブロック工事 | 鋼構造物工事 | 鉄筋工事 |
舗装工事 | しゅんせつ工事 | 板金工事 |
ガラス工事 | 塗装工事 | 防水工事 |
内装仕上工事 | 機械器具設置工事 | 熱絶縁工事 |
電気通信工事 | 造園工事 | さく井工事 |
建具工事 | 水道施設工事 | 消防施設工事 |
清掃施設工事 | 解体工事 |
建設業許可とは?
この、建設業を営もうとするものは、国土交通大臣もしくは都道府県知事の許可を得る必要があります。(建設業法第3条)
許可の有効期限は5年間であり、期間満了までに更新申請を行わなければなりません。(同条)
ただし、軽微な建設工事のみを請け負うものは、許可を得ずに営業をすることができます。(同条、建設業法施行令第1条の2)
施行令第1条の2 軽微な建設工事
工事一件あたりの請負代金が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)未満の工事、もしくは延べ面積が150㎡未満の木造住宅を建設する建築一式工事
建設業許可業種について
建設業許可は、その請け負う建設工事の種類(許可業種)ごとに分けられています。
業種一覧
土木一式工事 | 建築一式工事業 | 大工工事業 |
左官工事業 | とび・土工・コンクリート工事業 | 石工事業 |
屋根工事業 | 電気工事業 | 管工事業 |
タイル・れんが・ブロック工事業 | 鋼構造物工事業 | 鉄筋工事業 |
舗装工事業 | しゅんせつ工事業 | 板金工事業 |
ガラス工事業 | 塗装工事業 | 防水工事業 |
内装仕上工事業 | 機械器具設置工事業 | 熱絶縁工事業 |
電気通信工事業 | 造園工事業 | さく井工事業 |
建具工事業 | 水道施設工事業 | 消防施設工事業 |
清掃施設工事業 | 解体工事業 |
建設業許可の区分
建設業許可は、営業所の設置や、請負金額、下請契約の締結額により、許可の区分が別れています。
法第3条 大臣許可と知事許可
2つ以上の都道府県に営業所を設置して建設業を営む者は、大臣許可を取得する必要があります。
1つの都道府県のみに営業所を設置して建設業を営む者は、知事許可を取得する必要があります。
法第3条 一般建設業と特定建設業
元請か下請かに関わらず、軽微な建設工事のみを請け負うものを除いて、一般建設業の許可を取得する必要があります。
また、特定建設業の許可を取得することにより、発注者から直接請け負った工事について、4,500万円(建築一式工事は7,500万円)以上の下請契約を締結することができます。
許可の要件
建設業許可の要件については、建設業法第7条にその定めがあります。
一般建設業よりも、特定建設業のほうが厳しい要件となっています。
法第7条 許可の基準
- 経営業務の管理責任者等の設置
- 専任技術者の設置
- 請負契約に関する誠実性
- 財産的基礎を有すること
- 欠格要件に該当しないこと
決算変更届
建設業許可を取得した後は、毎事業年度の終了後、4ヶ月以内に決算変更届出を提出する必要があります。(法11条)
この決算変更届は毎年度提出しなければならず、提出漏れがある場合は許可の更新ができません。
提出書類
- 工事経歴書
- 直近3年の事業年度における施工金額
- 財務諸表
- 事業税納税証明書
その他の変更届
変更事項が合った場合は、定められた期日内に、その旨を届け出る必要があります。
経営事項審査
経営事項審査とは?
経営事項審査は、「経営状況(1号)」と「経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項(2号)」を数値で評価するものです。(法第27条の23)
国や県、各市町村が発注する、公共工事を直接請け負うためには、この経営事項審査を受けなければなりません。
経営状況分析について
1号の事項について評価を受けることを、「経営状況分析」といいます。(法第27条の24)
経営状況分析は、国土交通大臣の登録を受けた、登録経営状況分析機関に対して申請します。
経営規模等評価について
2号の事項について評価を受けることを、「経営規模等評価」といいます。(法第27条の26)
経営規模等評価は、一般建設業の許可を受けている者は、国土交通大臣へ、特定建設業の許可を受けている者は、都道府県知事に対して申請します。
総合評定値の通知
経営事項審査の評価数値を、総合評定値といいます。(法27条の29)
通常、経営規模等評価を申請すると同時に、総合評定値の通知の請求を行います。
入札参加資格審査申請
公共工事を直接請け負う場合は、その国や県、市町村などの入札参加資格の審査申請を行う必要があります。
入札参加資格には、いわゆる「格付け」があり、その基準となるのが、「客観点」と「主観点」です。
客観点について
客観点の算出については、上記で述べた経営事項審査の総合評定値が使用されます。
主観点について
主観点の算出については、国や県、市町村などによって異なる審査事項が定められています。
例えば、新潟県の主観的事項は、「県内に営業所を設置している企業で、建設業以外の事業に500万円以上の投資があるかどうか」という、新分野への進出状況が挙げられています。