はじめに
経営事項審査(経審)の評点のなかで、少し複雑なのが経営状況分析評点(Y点)です。
「点数が低いけど、なぜか分からない」
「どうすればY点を上げられるのか知りたい」
この記事では経審の経営状況分析評点(Y点)を構成する8つの指標をわかりやすく解説します。
経営状況分析評点(Y点)とは?
経営状況分析評点(Y点)とは、その名の通り経営状況を審査する評点で、「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つの項目について、 それぞれ2指標の計8指標を元に、下の式で算出されます。
経営状況評点Y = (167.3 × 経営状況点数) + 583
経営状況点数は上記の8指標から、以下の式で求められます。
経営状況点数A
= (-0.4650 × X1 )–( 0.0508 × X2)+(0.0264 × X3)+(0.0277 × X4)+(0.0011 × X5)+(0.0089 × X6)+(0.0818 × X7)+(0.0172 × X8)+ 0.1906
8指標は以下の通りです。
- X1:純支払利息比率
- X2:負債回転期間
- X3:総資本売上総利益率
- X4:売上高経常利益率
- X5:自己資本対固定資産比率
- X6:自己資本比率
- X7:営業キャッシュフロー(絶対額)
- X8:利益剰余金(絶対額)
また、この経営状況分析評点のみ、「経営状況分析機関」へ申請書を提出し、算出を行います。
Y点を構成する8つの指標
以下の8指標は、建設業財務諸表の内容から算出されます。
それぞれの指標ごとに解説します。
① 純支払利息比率
=(支払利息-受取利息配当金)÷ 売上高 × 100
単位は「%」で、数値の上限は5.1、下限が-0.3です。
数字が小さいほど評価が良くなります。
② 負債回転期間
=負債合計 ÷ (年間売上高 × 12ヶ月)
単位は「ヶ月」で、数値の上限は18.0、下限が0.9です。
数値が小さいほど評価が良くなります。
③ 総資本売上総利益率
=売上総利益 ÷ 総資本(2期平均) × 100
単位は「%」で、数値の上限は63.6、下限が6.5です。
数値が大さいほど評価が良くなります。
総資本は、貸借対照表の「負債純資産」の合計です。総資本が3,000万円に満たない場合は3,000万円とします。
④ 売上高経常利益率
=経常利益 ÷ 売上高 × 100
単位は「%」で、数値の上限は5.1、下限が-8.5です。
数値が大さいほど評価が良くなります。
個人事業主の場合は、経常利益ではなく事業主利益を使用します。
⑤ 自己資本対固定資産比率
=自己資本 ÷ 固定資産 × 100
単位は「%」で、数値の上限は350、下限が-76.5です。
数値が大さいほど評価が良くなります。
自己資本は、貸借対照表の「純資産」の合計です。
⑥ 自己資本比率
=自己資本 ÷ 総資本 × 100
単位は「%」で、数値の上限は68.5、下限が-68.6です。
数値が大さいほど評価が良くなります。
⑦ 営業キャッシュフロー
=営業キャッシュフロー(2期平均) ÷ 1億
単位は「億円」で、数値の上限は15、下限が-10です。
数値が大さいほど評価が良くなります。
⑧ 利益剰余金
=利益剰余金 ÷ 1億
単位は「億円」で、数値の上限は100、下限が-3です。
数値が大さいほど評価が良くなります。
中小企業・小規模事業者が対策する指標は限られている
8つの指標について解説しましたが、ご覧いただいたとおり数値の上限下限の幅が非常に広いものから、かなり狭いものまで様々です。
また最後の2つは単位が「億円」で、一朝一夕で対策ができる数値ではありません。
中小企業や小規模事業者の方は、すべての指標に対して対策を講じるのではなく、効果の高い指標に絞って対策することが経審の評点アップにつながります。
Y点を改善するには?
ではどの指標に対策を絞るべきなのかについては、以下の記事で詳細に解説しています。
他の評点の対策についても解説していますので、評点アップに悩んでいる方は一度ご覧下さい。
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