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【建設業許可】経営業務の管理責任者について|新潟県五泉市の行政書士

2024年8月2日

建設業許可を取得するために必要な要件の一つに、常勤役員や事業主が「経営業務の管理責任者」としての経験を有すること、があります。

許可を受けて建設業を営もうとする場合、常勤役員などの一人が必ずこの経験を満たしていなければなりません。

今回は、経営業務の管理責任者となるための要件などについて解説します。

経営業務の管理責任者とは

経営業務の管理責任者とは、営業上対外的に責任を有する立場で、建設業の経営業務について総合的に管理する者を指し、取締役や執行役、個人事業主はもちろん、支配人や支店長などもこれに当たります。

建設業許可を取得するにあたっては、この管理経験を一定期間有することが要件となっております。

経営業務の管理責任者の要件

それでは、経営業務の管理責任者の要件について、具体的に見ていきましょう。

経営業務の管理責任者を一人で満たす場合

常勤役員などの一人が、以下の1.から3.のいずれかに該当する必要があります。

  1. 建設業に関して5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する
  2. 建設業に関して5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)として経営業務を管理した経験を有する
  3. 建設業に関して6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する

なお、ここで言う「建設業」とは業種を問いません。例えば大工工事業を営んでいた会社での5年経験で、建築工事業の経営業務の管理責任者になれるということです。

それでは、要件について順番に解説していきます。

常勤役員等として5年以上の経験

1.は呼んでその名のとおりです。

取締役や個人事業主としての建設業を営んだ経験が5年以上あれば要件を満たします。

なお2.も3.も同様ですが、この経験は建設業許可を受けずに営業していた期間も含めることができます。

準ずる地位にある者として5年以上の経験

次に2.ですが、実はこの要件を満たすのは法人の場合のみです。

まず「準ずる地位」というのは、「営業取引上対外的に責任を有する地位に次ぐ職制上の地位」と解釈されています。

そして括弧書きにある「権限の委任」というのは、取締役会の決議により業務執行権限の委譲を受けるものとして選任されていたことを示します。

加えて取締役会で定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮および命令のもと業務執行に専念した経験が5年以上必要、ということになります。

基本的には、1.や後述の3.での要件を満たすことを考えましょう。

準ずる地位にあるものとして補佐業務に従事した6年以上の経験

最後の3.ですが、2.と同じ準ずる地位であっても、括弧書きがありません。

ということは、法人でも個人事業主の場合でも要件を満たすことができるわけです。

「準ずる地位」の解釈は2.と同じで、法人の支店における副支店長や、個人事業主の専従者である息子なども当てはまります。

そして肝心の「補佐業務」というのは、準ずる地位で下記に示すような業務に従事した経験を指します。

  • 工事の施工に必要な資金の調達
  • 技術者配置
  • 下請業者との契約締結
  • その他経営業務全般

なお補佐経験については、法人個人を合算することができます。

経営業務の管理責任者を複数人で満たす場合

常勤役員などの一人が以下の1.~2.のいずれかに該当し、その常勤役員などを補佐する者が、特定の経験を有することが必要です。

  1. 建設業に関して2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る)としての経験を有する
  2. 建設業に関して2年以上役員等としての経験を有し、かつ5年以上役員等としての経験を有する

この場合、5年の役員経験は建設業に関するものでなくて良いです。

そして常勤役員等を補佐する者の経験は、「財務管理」「労務管理」「業務運営」の業務経験が5年以上必要です。

かなりややこしい条件になっているので、それぞれの言葉について順番にみていきます。

建設業に関して役員等としての2年以上の経験

これはそのまま解釈しましょう。

一人で満たす場合と同じく、業種を問いません。

役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者として5年以上の経験

今までと違い、「建設業に関して」という文言がありません。

そのため、建設業に限らず、どんな業界の経験でもカウントすることができます。

ただし括弧書きで「財務管理」「労務管理」「業務運営」に限ると条件があるので注意しましょう

当該常勤役員等を直接に補佐する者

常勤役員が役員経験を満たしていることに加え、特定の業務経験を有する者を当該役員とは別に置かなければなりません。

これが複数人で経営業務の管理責任者の要件を満たすことのキモです。

具体的には、「財務管理」「労務管理」「業務運営」の業務経験が5年以上必要で、これは他社での経験を足すことはできません。

つまり、自社のみで上記3つの業務経験が5年以上なければなりません。

もちろん、一人が3つの業務を行っていることもあるかと思います。

その場合は一人が各業務経験の補佐する者となることができます。

経営業務の管理責任者の注意点

要件についてざっくり解説しましたので、最後に「常勤性」の注意点について解説します。

経営業務の管理責任者は常勤である必要がありますので、下記のように常勤性が薄い場合、経営業務の管理責任者になることができません。

  • 常識上通勤が不可能な場合
  • 他の個人事業や他の法人の常勤役員である場合(※例外あり)
  • 管理建築士や専任宅建士となっている場合(※例外あり)
  • 国や県、市町村の議員である場合

当然これらは直接補佐する者にも当てはまります。

なお、経営業務の管理責任者が常に出勤する営業所に限り、専任技術者の兼任が認められています。

まとめ

今回は建設業許可を受けるために必要な、経営業務の管理責任者について解説しました。

国家資格の取得で要件を満たす専任技術者と違い、経営業務の管理責任者となるためには必ず一定の期間の経験が必要になります。

そして、自身が以前在籍していた会社からの証明が必要になることもあるため、なかなか一筋縄ではいきません。

計画的なスケジュールをもって、建設業許可取得に望みましょう。

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