建設業 経審・入札

小規模事業者・中小企業の経審評点アップのために【実務視点でやさしく解説】|技術力評点(Z点)編

2025年6月22日

はじめに

「経審の点数を上げたい」

土木工事業や建築工事業、管工事業など、格付けが行われる業種の許可を持っている建設業者について回る問題です。

経審(経営事項審査)の評点は「客観点」と呼ばれ、入札の参加条件に影響する重要な要素です。

本記事では技術力評点(Z点)の点数アップについての対策を解説します。


経審とは?ざっくりおさらい

経審とは、「建設業者の経営状況・技術力・社会性」を客観的に点数化する制度です。

公共工事の入札に参加するには、この経審を受けて総合評定値(P点)を取得しておく必要があります。

P点は以下の式で算出されます。

総合評点P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.2Y + 0.25Z + 0.15W

評価項目は5つあり、

  1. 完成工事高評点(X1点)
  2. 経営規模評点(X2点)
  3. 経営状況分析評点(Y点)
  4. 技術力評点(Z点)
  5. その他評点(W点)

それぞれで評価項目が異なっているため、各評点それぞれで対策をすることとなります。


技術力評点(Z点)の対策

技術力評点(Z点)は自社に在籍する技術者の資格および人数から技術職員数点数を、元請完成工事高から元請完工高点数をそれぞれ算出し、経審を受ける業種ごとに点数が出ます。

これらの数値をもとに、以下の式で算出されます。

技術力評点(Z点) = ((技術職員数点数 × 4) + 元請完工高点数) ÷ 5

点数アップにはとにかく受注と技術職員数を増やすというのが前提になりますが、実は決算年度が終わったあとでも評点を上げることができます。

年度終了後の対策として、2つの方法を紹介します。

技術力評点対策その①:完成工事高評点(X1点)と同じ対策を行う

上記で述べた元請完工高点数は、当然「工事経歴書」および「直前3年の各事業年度における工事施工金額」から算出されます。

つまり完成工事高評点(X1点)と同じ対策を行うことで点数のアップが見込めます。

詳しくはこちらの記事をご確認下さい。

技術力評点対策その②:実務経験により技術者を増やす

2つ目は技術職員数点数を増やすための対策です。

資格の種類によって点数が異なっており、以下のようにより上位の資格を持っていればそれだけ点数が高くなります。

  • G1 : 一級監理受講者の人数(6点)
  • G2 : 1級技術者であって一級監理受講者以外の者の人数(5点)
  • G3 : 監理技術者を補佐する資格を有するものの人数(4点) (*)令和3年4月改正で追加
  • G4 : 基幹技能者であって一級技術者以外の者の人数(3点)
  • G5 : 二級技術者の人数(2点)
  • G6 : その他技術者の人数(1点)

そのため通常であれば、自社の職員に資格を取得してもらうというのが点数アップにつながるのですが、「G6」の人数は資格がなくても増やすことができます。

この「G6」には実務経験の要件を満たしている人も含まれるため、資格をまだ取得していない方でも毎年毎年経験年数を確認し、該当者がいれば必ず技術職員名簿に載せるようにしましょう。

期中は受注増を狙う・年度終了後は工事内容の精査・経験年数の確認

経営状況分析評点のうち、「総資本売上総利益率」と「自己資本比率」の対策を紹介しました。

借入金を減らし、売上高および売上総利益を増やし、利益を残すことが前提となります。

日頃から自社の数字を確認し、短期的なスパンで改善することを心がけてみてはいかがでしょうか。


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